ただいまQAチームにて品質向上のため様々な見直しをおこなっております。その1つがプロジェクト管理ツールの調査や使い方の改善です。
現在MMJではJiraとConfluenceというツールを使って管理しております。前職で様々な客先での常駐作業があったので色々なプロジェクト管理ツールには触れた経験があるのですが、JiraとConfluenceに触れたのはMMJに来てからが初めてでした。今ではJiraとConfluence無しではどう仕事をしたらよいかわからない体になってしまったと言っても過言ではありません。
そんなJiraとConfluenceの素晴らしさを語る前に、今回はプロジェクト管理ツールにはどのような種類があるかを実際に利用したことがあるツールを例にして、いくつかご紹介しようと思います。
Contents
OSS・有償ツール
プロジェクト管理ツールには、無料で使えるOSS(オープンソースソフトウェア)と、有償のツールがあります。OSSは無料の代わりに、保守がない・不具合対応や開発継続の保証がない・長年利用されているツールはUIや機能が少し古いなどいくつかのデメリットもあります。実際に過去に使っていたOSSで、継続開発が行われず現在は利用できないものもいくつかあります。
一方、有償ツールは保守やサポートがあり、不具合や新しい環境への対応も行われるので安定して利用できます。MMJで利用しているJiraとConfluenceはオーストラリアにあるAtlassian社の有償ツールです。
コンテンツ・ナレッジ共有ツール
PukiWiki
コンテンツ・ナレッジ共有ツールのなかでも、自由にページを編集できるツールCMS(コンテンツ管理システム)と呼ばれるツールです。Webアプリです。こちらは日本で開発されたツールのため導入からカスタマイズまで日本語の情報が充実しています。また、OSSはプログラミングの知識が必要なものが多いのですが、PukiWikiはDBがいらないため導入も移植も比較的簡単です。手軽にコンテンツ共有をしたい場合にとても便利なツールです。
私が利用した時はプロジェクト毎に1つのPukiWikiをインストールする方法で運用していました。複数のプロジェクトのコンテンツを横断的に管理したい場合は後にご紹介するRedmineが便利です。
スケジュール・進捗管理ツール
MMJではJiraのプラグインであるWBSガントチャートを使ってスケジュールや進捗管理をしています。今回は実際に利用したことのあるOSSのGanttProjectをご紹介します。
GanttProject
プロジェクトのスケジュールや進捗の管理でよく利用されているガントチャートの作成に特化したツールです。こちらはWebアプリではなくネイティブアプリのため各端末へのインストールが必要になります。HTMLやPDF出力機能も兼ね備えています。
定期的に行う進捗報告をガントチャートに反映し、先にご紹介したPukiWikiに掲載するという進捗状況の議事録として利用していました。
バグ管理ツール
Mantis
バグトラッキングシステムと呼ばれる、バグの状態管理や追跡に特化したシステムです。こちらもPukiWiki同様に国産システムのため、日本語の情報が充実しています。GitやSVNなどのバージョン管理ツールと連携して、バグに対してのソースコードの変更を紐づけることもできます。バグ(虫)を食べるカマキリが名前の由来なところからして、バグを駆逐するという強い意志を感じますが、バグの管理だけではなくチケット駆動開発スタイルのプロジェクトではタスク管理システムとして利用することもありました。
こちらもPukiWikiのようにプロジェクト毎に1つのMantsをインストールする方法で利用していました。Mantisと同じようなバグやチケットを管理できるシステムには後にご紹介するRedmineがあり、こちらは複数のプロジェクトのバグを1つのRedmineで横断的に管理できます。
複合的なプロジェクト管理ツール
ここまでは、コンテンツ共有・スケジュール管理・バグ管理などそれぞれの管理対象ごとに特化したツールをご紹介しました。しかし、管理したいものごとにツールを分けることは手間に感じることもあります。そこで全部の機能を兼ね備えたツールの出番です。
無料で使えるOSSでも全部を兼ね備えたツールがあるのでご紹介します。
redmine
ここまでで紹介した、各機能の全部ができるツールがこちらのRedmineです。こちらもOSSのため無料です。Webアプリです。また、複数のプロジェクトを1つのRedmineサイトで管理できる、マルチプロジェクトに対応しています。管理したいものごとにツールをわけなくてよいだけでなく、プロジェクトごとにインストールする必要もないので楽ではあるのですが、色々な機能が1つのツールに入っているため設定は複雑になります。
また、ウォーターフォール開発全盛期に生まれたシステムのため、アジャイル開発に必要なカンバンなどの機能はありません。カンバン機能を利用したい場合はプラグインを別途入れる必要があります。逆に言えばOSSのため各自が自由にプラグイン開発ができ、多種多様なプラグインが開発コミュニティーメンバーにより生み出されています。
アジャイル開発に特化したプロジェクト管理ツール
ここからはアジャイルにも対応できるプロジェクト管理ツールで、私が実際に利用した経験のあるPivotal Trackerをご紹介します。
Pivotal Tracker
https://www.pivotaltracker.com/
こちらのPivotal Trackerはアジャイル開発向けの有償ツールです。MantisやRedmineのようにチケットでのタスク管理ができます。バグやタスクではなくストーリーを軸にした管理ができるなどのアジャイルに特化した機能をもっています。逆に、アジャイルと相性が悪いと言われているガントチャートのようなスケジュール管理機能は持っていません。スプリント管理やバーンダウンチャート機能などのアジャイル開発に絞ったシンプルな機能だけを持っています。
MMJで利用しているJiraはPivotal Trackerに搭載されているアジャイルに特化した機能もすべて網羅していて、1つのツールでウォーターフォール開発もアジャイル開発にも対応しています。
システム開発以外でも導入しやすいプロジェクト管理ツール
サイボウズOffice
プロジェクト管理もできるグループウェアのサイボウズOffice。2023年のグループウェアシェア率2位を誇り、利用者がとても多い有償ツールです。他のQAチームメンバーもMMJに転職する前に使ったことがあるというツールですが、バグ管理などのシステム開発に特化した機能やアジャイル開発に必要なタスク管理機能はないため、足りない部分は別のツールで補う必要があります。私が経験したのは、全社的にはサイボウズを利用し、開発部はRedmineにてサイボウズで足りない部分の管理するという運用でした。
複数のツール利用で一部機能が重複する場合は、どちらのツールで何を管理するかという運用ルールを決めたり、データ連携できるプラグインを別途用意しなければ情報が二重管理になるという新たな問題も発生します。ですので必ずしも色々な機能が入ったツールが使いやすいというわけではなく、運用にあったツールを選択する必要があると思いました。
プロジェクト管理ツールを調査して
沢山の開発スタイルのプロジェクトがあるように、プロジェクト管理ツールも多種多少なものがあります。また、ウォーターフォール開発からアジャイル開発が主流になったように、開発スタイルも時代とともに変化し、それらのスタイルに合わせた新しいツールやプラグインも日々登場しています。
MMJではJiraとConfluenceを利用しておりますが、改めて他のツールとの比較を行うことで今利用しているツールのメリット・デメリットや、使い方を見直すことができました。べた褒めしたJiraとConfluenceの話を今回の記事の中では語りつくせないため、次回のご紹介になってしまう点、大変心苦しいところです。次回の記事ではここでご紹介した色々なツールのどの機能をJiraとConfluenceで対応できるのかや、実際の業務で利用しているかをご紹介できればと思います。
プロジェクト管理ツールは、プロジェクトにかかわるすべてのメンバーにとって影響のある大切なツールです。見直しを行う社風は改善指向の高いMMJの一つの特徴ではないかと思います。効率の良い環境で一緒に働いてくださる方のご応募をお待ちしております。
静岡在住のフルリモート勤務をするQAエンジニア。前職は大手SIerのエンジニア職。開発の勘所がわかる品質担当として頼られている。