”改善”への取り組み方

こんにちは。メディアマックスジャパンの深野です。
本日は仕事の上でやりたいことについてお話しするということで、“改善”をテーマにしてみました。
少し抽象的な話になりますが、どうぞお付き合いくださいませ。

経験談:旅行のしおり

まずは私の個人的な経験を(テーマのために脚色した上で)お話します。
問題となったのは、二冊の旅行のしおりでした。
私が所属していた大学の研究室では、年に一度研究室旅行をするのが通例でした。
大学院二年生の先輩が「しおりを作ろう」とおっしゃられて、ウェブ上のツールを使って作り始めていました。
それを横から見ていた私は、「既存のフォーマットで作ったものより、私が一から作ったほうが良いものができるんじゃないか?」と思いました。
もう少し謙遜した言い方をすれば、より良いしおりを作るためのモックアップを用意すれば、しおりの出来を改善できるのではないかと考えたのです。
私は早速、その夜にモックアップを作り、先輩に“より良いしおり”の見本を見せたのです。
まあ当然ながら、先輩には「お前は俺を馬鹿にしてるのか」と怒られました。
そこで私はようやく、自分がとんでもなく上から目線で見ていたことに気がついたのでした。

“改善”への取り組み方

さて、この「先輩に対して上から目線で手本を見せた」というのは人間的に恥ずかしいエピソードでもあるのですが、ここでは少し違った見方をします。
すなわち、私が先輩のしおりに対して自分の作ったしおりを見せることで図ろうとした「改善」のどこに問題があったのか? ということを考えます。
本記事を書くにあたって、会社の先輩にこのエピソードを話し、改善に当たってどういうことに気をつけなければならないか、ということを尋ねました。
結論から言いますと「問題からのアプローチをすべきだ」ということでした。詳細を説明いたします。

策からのアプローチ

先ほどのエピソードにおいて、私は「既存のフォーマットで作るのでは不満だ」「一から作れば良いものができる」という、
言うなれば“策からのアプローチ”を取っていました。
すなわち、「ある手段を取りたい」という視点から考え始めて、それを“改善”につなげようとしたのです。
仕事上でもこういったことはしばしば起こります。新しいツール、新しい言語が生まれると、「それを使って何かをやってみよう」と考えてしまうものです。
その好奇心自体が悪いわけではありませんが、“改善”という視点から見ると、致命的に抜けている部分があります。
それは、そもそも改善しようとしている問題のことを考えていない、というところです。

問題からのアプローチ

もし先述のエピソードにおいて旅行のしおりを“改善”しようと考えるなら、まずは旅行のしおりを何のために作るのか考えねばなりません。
研究室旅行で求められていたのは、可愛かったりカッコよかったりするしおりではなく、実用的なしおりでした。
つまり、持っていくもの、スケジュール、メンバーといった必要な情報が載っていればそれでよかったのです。
私はよりカッコいいしおりを作って改善したつもりになっていましたが、実際には先輩が作ったしおりで十分だったわけですね。
この“問題からのアプローチ”という視点は、仕事をする上でも重要になってきます。
たとえば、弊社を含むすべての会社には、古くなってしまった資料や、惰性で続いている慣習などがあります。
私はつい「新しく刷新すべきだ」とか「慣習をやめるか、方法を変えよう」などと考えてしまいますが、
そもそも資料が古くなったことや惰性で続いている慣習で問題は生じているのでしょうか?
仮に資料を刷新したとして、もはやその資料を使うことはないかもしれません。惰性で続いている慣習にも、実は隠れた目的があるかもしれません。
まずは困っていることを見つけて、じゃあそれを“改善”しよう、というのが自然な流れのはずです。

学んだこと

私が新人だからかもしれませんが、弊社に入ってから「これはどうしてこうなっているんだろう?」といった疑問を持つこともしばしばあります。
そんなとき、「こうしたらいいんじゃないか」とすぐに手段を考えるのではなく、まずはその現状が解決しようとしている問題に考えを巡らせ、
現状で困ったことが起きているかどうかを考えてみるように心がけます。
もちろん一人で考えるだけでなく、周りに提起して、現状にどんな問題が存在するかという認識を共有する必要もあります。
なかなか大変なことではありますが、弊社のため、ひいてはお客様のために、気がついたことにはぜひ“改善”に挑戦していきたいですね。
さて、次回は何か技術的なお話ができたらいいなと考えております。
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

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