“量子的飛躍”を遂げるWebブラウザ「Firefox Quantum」、11月14日公開 ~2倍に高速化し、メモリ使用量も低減 – PC Watch
Rust で書き直されたブラウザエンジン Servo の成果物が最初に反映される Firefox 57 のリリースが近付いてきました。ブラウザ界隈では久々にワクワクさせられるニュースです。
ニュースは煽り過ぎでは?
その一方で懸念されるのが、高速化を強く謳いすぎていて、公開後にそんなに速くなかった、と Quantum プロジェクトにネガティブな印象がついてしなわないか、という点です。どのニュース記事でも「2倍」というところばかりが強調されていて、1年前の Firefox 52 と比較して2倍の速度になった、というのは記事を読まないとわかりません。高速化したけど Chrome には勝てていないというベンチマークも出ていたりします。
Quantum の意義
Quantum プロジェクトの真髄は、そのためにRust という言語まで作って、ブラウザエンジンをモダンに作り直そう、という点にあります。
現代のブラウザは OS と並ぶぐらいに複雑なプログラムで、ゼロから作りなおすには信じられないほどのリソースが必要になります。Chrome や Safari, Edge といったモダンブラウザも、実際にゼロからブラウザエンジンを作るようなことはされず、これまでの資産の上に築かれています。例えば、Chrome のエンジンである Blink は、もともと Safari とともに利用していた WebKit からのフォークですし、その Webkit もまた KDE で使われていたレンダリングエンジン khtml が元になっています。
Firefox 57 は第一歩
Firefox 57 は Quantum プロジェクトの成果物が搭載される最初のバージョンであって、以下に引用していますが、今後複数バージョンを重ねて、少しずつ新しいエンジンに置き換えられていくことが、記事中でも触れられています。
ちなみにFirefox Quantumはプロジェクト名であり、実際の製品はFirefox+バージョン番号となるが、バージョン61または62まではQuantumプロジェクトである予定だとした。
今回搭載されるのは Quantum Composer と Quantum CSS だけで、Quantum DOM, Quantum Render とまだまだ先が控えています。Firefox 57 のリリースだけで評価されて、他のブラウザよりはやっぱり遅い、といったイメージが付いてしまって、プロジェクトが盛り下がらなければいいな、と思っています。