――昔から社長になろうと考えていた?
独立を決めていたわけではありませんが、就職することは、まったく考えていませんでした。ただひとつ、「このへんがルーツかな」と思うことがあります。それは高校生のときの図書委員会。ふだんは図書室でしゃべっているだけの気楽な委員なんですが、年に1度、他校の生徒も交えての討論会があったんです。テーマとなる本を1冊決めて、その内容について意見を出し合うイベントで、まわりの話を聞きながら、「自分の意見を持つ」ということを身体で学びました。この体験は本当に衝撃的でしたね。それから「年1回じゃつまらない。毎月やろう。」と呼びかけ、本当に毎月開催することに。
頻繁に開催することで、回を重ねるごとに参加者が何かの期待をもって会に参加するようになり、議論もどんどん積極的になり、会そのものが生き生きとしてきました。議論をするわけですから、それぞれの考えをもった個人が引き立って見えてくる。その変化が本当に面白かったです。そこから、そういう場を作ることに喜びを感じるようになりました。